樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

スズメたちは麦の食べ方を覚えた

一昨日のことだったか。うちの裏の畑で小さく育てていた裸麦。スズメたちに食われていた。つまみぐいなどではない、本気のどか食いである。裏で育てて3年目だろうか。こんなことは初めてだ。なにが「やつら」をそうさせたのか。 茎が折られている。どこでど…

”おすそわけ Kae’s note 2019, spring-autumn”に寄せて#1

樟舎の本、”おすそわけ Kae’s note 2019, spring-autumn”の刊行を期した企画展を、2021年5月1日から5月16日まで開催している。松江の古本屋さん冬營舎と、木次のカフェ・オリゼ、ふたつの会場にて。題して「伊澤加恵、あしもとの世界と小さな作品展」。 これ…

木次、土手の桜

令和三年、オリゼの庭の春

大東の雨量観測所

ここにおられたんですね! 大東の雨量観測所。 過去の観測データの件では、何度もお世話になっていながら(気象庁のサイトからダウンロードさせていただいている)、お会いするのははじめてでした。 気象庁のものかとばかり思っていたのですが、国土交通省の…

出雲の山墾り〜消炭づくりの準備

積もっていた雪もあらかたとけ、去年より半月ほど遅れての本格始動です。とはいえ、2時間半ほど。積んである竹の嵩をとらえ違える箇所もあるので、頭と身体にたたきこんでいくくらいまでやらないと、火は入れられんですね。早く入れてしまいたい気持ちをなだ…

出雲の山墾りをぼちぼちと

ひっそり今年も始動します。活動ページを設けました。 冬の準備がものをいうのです。冬の間に、春焼き予定地の竹を半分くらいまでは焼いておきたいということもあります。 雪がたっぷり積もっていれば、延焼(つまるところの山火事)対策を大幅に減じること…

菊芋堀り雑感

雪の下から芋を掘る。 一般的には遅いのだろう。サツマイモはもちろん里芋だってもとは南国の芋なのだから、零下の気温ではたちまちにだめになる。が、しかし、だ。菊芋は雪の下のをとってくるものだと不確かながら聞いたことがある。そういう芋なのだと。 …

昭和26年12月25日、木次のクリスマス

木次に引越してきて何回目かの年越しと、クリスマスがやってくる。今年も持越しの宿題を棚にあげつつ、手がかりくらいはつかんでおきたいと思う。つかみたいのは、かれこれ75年前のこと、昭和26年の木次のクリスマス、そして年取りとカブについてである。 昭…

蔦のからまる森で

人間が放置した土地。いま、そこやあそこ、かしこで、当然という顔をして普通にみられる大地の断片。小さな裂目のような場所から自然による「奪還」がはじまる。 はじまりの場所は「荒廃地」と呼ばれ、人をますます寄せ付けず、荒廃の勢いはます。 さて、そ…

令和2年、ホウコ雑記

冷蔵庫の片隅に冷凍したままのホウコが眠っている。たしか2年前のものだと思う。搗く機会を頭のなかであれこれと浮かべながら、いくつかの記録を整理しておきたい。 思いつくままの箇条書きをまず。1. 阿井の山野で食べたものの中でのホウコ2. ホウコの方言…

熊子の古を拾いつつ#地方史誌其の一

熊子(くまご)と、出雲地方で呼ばれてきたアワのことについて、いまだ調べること多いものの、まとめていこうと思う。記録の散逸、記憶の錯誤をおそれる。できるところから少しずつ書き足していく方式をとろうと思う。 あわせて、聞き取りを再開したい。その…

残暑きびしくも森の中はすずしく、山ウツギの花かおる

「今日は山へは行かれますか」「いやあ行けません。倒れますわ」と、言ってはみるものの、じつは行っている。山というと、眺めのよい景色のある登山でのぼるような山をみなさん、イメージされるようだ。が、山もいろいろ。標高250〜400mくらいのところでも…

「コリーニ事件」を観て

昨日、映画「コリーニ事件」を観た。しかも出雲で。これは劇場貸切かと思ったが、妻とあわせて3人の観客だった。T.ジョイ出雲で9/10まで。行ける人はぜひと思う。理由と見方などいくつか。 ◆予告編など一切目にいれずにふらりといくのがいい。この映画の最大…

荒れた森にこそ未来は開けている

◆数日前に、奥出雲のいくつかの「山」をみてまわりました。参加者の多くは自分で自分の山を手入れしているきこりさんたちだったのですが、みなさんの心を強くひきつけていたたのは、見ても入っても心地のよい、美しい森ではなく、見捨てられ荒れ果てて見える…

奥出雲における「わに」の刺身について

それは先週、8月8日のことでした。立ち寄った隣町奥出雲町のスーパーで、目的の品をかごに入れ、そそくさとレジに向かう途中、どどんとばかりに「わに」肉が陳列されているのを見つけてしまったのです。刺身用の新鮮なものです。「わに」ことサメの刺身は、…

スペルト小麦と夏野菜のマリネ

カフェ・オリゼの裏にある「オリゼ畑」で育てているスペルト小麦。夏野菜のマリネとしてランチにお出ししています。玄麦。スペルト小麦は、古来つくりつづけている地域では粒で食することが多いという論説をみたことがあります。そうでなくても、粒でとれる…

令和2年7月下旬の山墾り

梅雨のあいまにひとしごと。◉夏に花を咲かせる樹々をたしかめる〜7月22日 あれ、こんなところにもと。夏に花を咲かせる木が、山墾りをしている岩内地の谷にはたくさんみられます。現在、頭のなかに入れ込むだけですが、子供向けの体験が本格化したら、マッピ…

野老を見つけた日に

おそらく鬼野老だと思う。一昨日やっと見つけた。探しているときには見つからず、忘れた頃に、こんなところにあったのかと驚くのはいつものこと。そして、7月下旬の今頃が目立つということでもあろう。花をつけるのもこれからだ。トコロを食べる会として、蔓…

木次線の終電に想う

飲んで終電で帰るなんて何年ぶりだろう。しかもこれが人生最後、かもしれないなと思い記念に撮影。 あと30分ばかりは残っていたビアガーデンの宴席を辞し、急ぎ足で橋を渡り、歩道を横切って無人の駅の改札を抜ける。ちょうど一両編成のディーゼル車がホーム…

道をめぐる雑想#1

お米をいただいている奥湯谷の農家から、昨秋収穫ぶん最後の一俵をいただいての帰路でした。おそらく江戸の昔から道幅の変わっていない上阿井の八幡神社の前の通りをすぎて、国道に入る少し手前。路傍に小さな石、といっても一抱えはあるやや丸みをおびたそ…

令和2年7月11日山墾り備忘

雨が続いたこともあり、しばらく山の畑へ出向けなかったのだが、合間をみて少しでもと夕刻に向かう。里芋は草に埋もれつつあるものもいて、この際、草刈。この草、なんという草なのかすきまなくびっしりと生えており、土もつくってくれそうなので、残す方向…

山墾りからあれこれ備忘

◆白大豆を蒔きながら 6月21日の山の畑、白大豆を蒔きながら、思い出す。 昨年の山の菜園場でのこと。白大豆をまいたまわりには、トウモロコシやタカキビを蒔いたが、まったく成長しなかった。ナスもそうだった。もともと土壌がやわらかだったところに蒔いた…

森のことの葉〜#7_Book 7 days

◆本の顔の7日間、その7。 ある夜、何を思うわけでもなく書棚から一冊の本を抜き、開いた頁から押し寄せてくる波に、ゆだねながらそれに乗るということができたなら、読むという愉悦とともに、どこまでもいつまでもその時間は延伸できる、ように、そのただ…

すべての生き物はね、死んだらだれかに食べられるのよ〜#6_Book 7 days

◆本の顔の7日間、その6。 ◉ジル・クレマン、山内朋樹『動いている庭』2015,みすず書房これは焼畑の本である。ピンとくる人は、どこにもいない、と思うけれど、言ってみる。庭の本でないことは確かだが、著者は作庭家である。また、すぐれた実務書でもある…

本は物であり、物には心がある〜#5_Book 7 days

◆本の顔の7日間、その5。◉バッジュ・シャーム、ギター・ヴォルフ『世界のはじまり』2015,タムラ堂 木綿、麻のクズ布を砕いて漉いた紙。都度調合される色。中部インド、ゴンドの吟遊詩人であり画家であるバッジュ・シャームの神話世界。さわる本。本が物で…

茸師と飢饉

【雨の日の地図旅行、その備忘】 五年ごし?の宿題を少々。 ◉茸師 三平大分県津久見市長泉寺境内にある椎茸碑の中に、次の一文がある。「往昔、天保の頃、津久見の先覚者彦之内区三平、西之内区徳蔵、嘉吉、平九郎、久吉等の椎茸栽培業研修に端を発し、三平…

茸作 豊後國市平墓〜#4_Book 7 days

本の顔の7日間、その4。◉茸作 豊後國市平墓 匹見の紙祖にある茸作・豊後國市平の墓。市平(三平)は、天保11年に豊後國から石見國の疋見組にやってきます。嘉永5年まで椎茸の栽培を行います。どこの山かはわかりません、ひとりだったのか、何人かで手掛け…

本の読み方、世界の見方〜#3_Book 7 days

本の顔の7日間、その3。◉種村季弘『雨の日はソファで散歩』筑摩書房,2005 「書かれたものは、いわば音符に過ぎない」中井久夫)この本は、推理小説にも似た、謎解きを誘うようなところがあって、そんな奏で方(読み方)があったのかという訪れを、静かに待…

〜#2_Book 7 days

本の顔の7日間、その2。 ◉中井久夫『「つながり」の精神病理』ちくま学芸文庫,2011 いま、自分の手元にある本の中から、一冊だけを過去の自分に贈れるのだとしたら。これを二十歳くらいの自分へ届けてやりたい。その理由について……。1●日本語の文章として…