樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

工芸・建築・美術

小屋を建てる

「なぜ、男は小屋を建てたがるのか」この見出しにしようとしてやめた。「たがる」という言葉に含まれる揶揄はことの次第を見えにくくするだろうと、そう思い直したから。 「小屋を建てる」 つぶやくような、控えめな発言であっても、この言葉を聞いた男たち…

灰小屋雑考

邑南町へ在来作物調査へ行く道すがら、灰小屋の「遺構」をみる。灰小屋といっても、岡山県から広島県にかけての高原地帯、山間部から島根県石見地方東部に多くみられるものは、田畑に近いところにもうけられ、そこで土を「焼く」小屋としてある。地域によっ…

セーター、その始原性とダーニング

NHKのEテレとBSプレミアムで放映されている「美の壺」。その<File:435>なる回のテーマが「セーター」だというので、観た。 気仙沼では手編みのセーターが、伝統文化としてあった。はじめて知った。セーターといえば、明治から入ってきた洋文化だと思うだろ…

金継ぎ、はじめます(かな)

一昨日、全6回の金継ワークショップ受講を終えました。 「金継ぎ師guu.仲秋の金継教室」として雲南市木次町のカフェ・オリゼで開かれていたもの。9月の残暑きびしい日から寒さで凍えるような年の瀬まで、終わってしまえばあっという間でした。漆がかたまるの…

尊い家とは何か〜今和次郎とB.タウトと

粗朶ってなあに?の中であげている「ハンヤ」のことを今和次郎が名著『日本の民家』であげていた。 「備後山間の灰屋」。 《これらは肥料の製造所である。田圃の中や山の根だどにこれらは作られている。農夫たちは仕事の余暇に山の芝を刈り取って来て、この…

住まいの床下は土であるべきと私は考える

森と畑と牛と=MHU.が手がける奥出雲の小さな風の谷のプラン(自然地形としての谷にとって大事なのは水と風が淀まず流れ続けることです)。そこにはどんな建物がどこに配置されていくべきなのか。…てなことを皮切りに、忘却の箱にいれたままだった建築のこと…

空き屋問題は人口問題ではないの巻

つれづれなるお話である。筋はとおってない、脱線を繰り返しながら、なんとか辻をあわせていこうと思う。 朝、ラジオからこんな声が聞こえてきた。 「東京でもあと10年もすれば2軒に1軒は空き屋になる。総体としての住宅価格は暴落する」 妻曰く。 「えー、…

安藤邦廣「古民家の価値とそれを活用した地域づくり」

去る日曜日。邑南町の日貫にある旧山崎家住宅で行われた講演会、安藤邦廣「古民家の価値とそれを活用した地域づくり」のメモです。 会場の古民家は、安永8(1780)年9月27日に棟梁大工・銀山領・川登兵七によって建てられたものだと、町のウェブサイトには記載…

「古い家」または「空き屋」

美しい。 数多くの田舎の家を見てきた中で、あぁ美しい、と、この家のことをまず思い浮かべる。 この納屋の庇をみれば、なんと板葺きなのです。 雪深い地区にあるこの家には若い夫婦が移り住んで暮らしています。 ……というように、種々の家を出すのもいいの…