樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

熊子と蕪と

令和元年、年取りのタカキビ餅とタカキビと

昨年同様の塩梅でタカキビ餅をついた。昨年のほうが美味しかったという印象を持っている。硬い粒が残っているのと風味がいまひとつ。主に3つの要因があると思う。 1. 昨年よりもしっかり熟したものを使っていること2. その割には水につける期間が短かったこ…

暦日雑想

(下書き中にて支離滅裂な点、多々あり、御免) 数日前のこと。年末の餅つきを一緒にする会の、打ち合わせの席でした。 冒頭、世話役の方から、今年は12月28日でいかがでしょうか、土曜日ではあるのですが、との発言。みなさん異論なく、しばし沈黙の後、そ…

正月とカブ

正月にカブを供する儀礼といえば、七草粥があるのだが、その起源をたどろうとすると、途端に錯綜した渦に翻弄されることになる。 まあ、いろいろとね、諸説あるんだけどね、と言いたく(まとめたく)なるのをこらえつつ、あらためてとらえてみようと思ったと…

シコクビエを育てるにあたって

今年の焼畑でシコクビエを撒いてみるのだと。そう思い立ったのは1年ほど前だったと思う。理由は大小いくつかあるのだが、なぜこれほどまでに顧みられていないのか、それが気になっていたことが存外に大きいのかもしれない。 この項、のちほど加筆するとして…

ウバユリのオスとメス

クニ子さんの言っていたことがはじめてわかった。と同時に、こりゃどうみても採取していたのは「メス」のほうだろうなと思う。ウバユリについて記しているものをいくつかみたが、「実際に採って食べている」人はいなかったのだろう。 ことはウバユリに限らな…

飢饉の記憶とカブの儀礼と

年取りカブを中心としたカブの民俗について整理してみる。 ◆正月カブ(地カブ)が供物として捧げられるとき。 1. 歳神さんを迎えるに際して「吊るす」形態で→「吊るす」形での供物は、獣のそれが原型ではなかったか。神殺しとも言われるもの。 2. 稲こぎの…

粗々〜カブとクマゴの時間

標題の件、図書館での資料渉猟の折、メモすらしていないことをも含めて、まず書き残しつつ後ほどの整理に委ねる。 ◆島根県出雲地方においては近世以降、水田を有しない耕作地帯はきわめて稀である(この件、要精査)。畑作なり漁撈なり、その比重の軽重こそ…

年取りカブのあるところ

2月23日(土)。1年半ぶりくらいに年取りカブのある谷へ。 谷に着いて車を降りると鶯の声。 Yさんのお宅まで畑をみながら歩く。2年前は雪が降り積もる谷を歩いたっけと不確かな記憶をなぞりつつ。 開口一番「鶯、鳴いてましたよ」といえば、「あぁ、2日前か…

ずんべらはチガヤのことなのか〜食べる草

春がきた。「春は喰える草の季節」とは清少納言の枕草子ではなく、川上卓也の『貧乏神髄』の名句であるが、心して迎えたい。平成も終わろうかという時代、子どもたちに草を食べる楽しみを伝えていきたいものだ。 草を食べるといえば、野山の果実であれ草であ…

熊子(クマゴ)のこと〜その2

森と土と水と火の記憶を探す旅。 2016年3月17日のこと。以下はウェブの記録から発掘し整理し直して記すものです。 西へ南へ、そして県境にほど近いとある山村へ。 奥出雲町の三沢から、車を飛ばして1時間半ほどして着いたその家では、「だいたい家にいるよ…

熊子(クマゴ)のこと〜その3

前進していないわけではない。 ここ1〜2ヶ月の間に拾った資料としては2つ。 ひとつは、「出雲民俗」の第24号(昭和27年7月)に掲載された「熊子のからはたぎ」記事。 昭和27年当時は、熊子を粳の粟だと断ずるには至っていないことがわかる。 なにより、この…

エノコログサの食べ方〜その3

11月4日。雲南市木次町里方は局所一時的豪雨に見舞われた。雑穀類を車に運ぶのもままならず、ダムの見える牧場で開く予定だった「エノコログサを食べてみよう」は、自宅の土間で実施。トーミによる選別はできないものの、そのぶん、丁寧に一粒ひとつぶを確か…

カブと小麦

11月2日。裏の畑に、8日ばかり前であったろうか、ひとうねぶんほど蒔いた小麦が、小さな芽を出し始めている。昨秋40粒ほどからふやしたスペルト小麦。どうするどうなるなんて考えず、まずは育ててみたい、その姿を見てみたいと思う一心だったのが1年前だとす…

エノコログサの食べ方〜その2

台風ランが列島に荒ぶる威を3日ほどたち、今日は久しぶりに太陽が山の地にも降り注ぐ日和となりました。エノコログサの採集は昨日から再開しましたが、もう時期が終わりなのかなと少々意気消沈。 こういう状態。10日ばかり前の時期であれば、実が黒茶のもの…

秋、野生のあずきを探しに、6000年前の記憶を探しに

焼畑で2年目となるヘミツルアズキの収穫が進んでおります。焼畑地でのそれは島根大学里山管理研究会におまかせ。私めは、自宅の庭と裏の畑でいたずらまじりにまいておりましたが、ぼちぼちととれています。 今日あらためて、焼畑地(2年目)のものと菜園畑…

種子を残す意思と摂理と

温海かぶの種を蒔いてから1週間。昨日確認したところでは、なんと発芽は0。炭で黒くなっている地面なのでどんなに小さくとも緑色を見過ごすことはない。どれだけ出ているか、雨の中、期待を胸にすべる山の斜面をのぼっての0。落胆と同時になぜだろうと「?…

モチアワ、タカキビ、ヒエの現状

春焼き地のモチアワが出穂です。勢いはありませんし稔りは薄いでしょうが、7月13日(下の写真)の惨状からすればよくぞここまでという感があります。シカにもウシにも食べられました。出穂前というのは、茎が美味しいのでしょうか。 そして、本日、すなわち2…

2017年アマランサス(赤穂)の成長を振り返る

島根県仁多郡奥出雲町佐白における竹の焼畑。アマランサスの焼畑栽培については2年目にあたる。赤い立穂を有する種を優先的に栽培すべく、新たな種を入手し育成することにした。長野県松本地方で自然栽培による育成を重ねている種である。 これを火入れ後、…

アマランサスの発育状況と「神の穀物」の由縁と

◉アマランサスの発芽のこと 今年は焼畑2作目として播種しているアマランサス。 ざっと以下のことを考えている。 ・吸肥力が高いその性質から2作目向きかもしれない→収穫量はどうか(単純比較はできないが) ・急斜面で日照不十分なところではどうか&昨年…

しゃえんば

「畑には家の近くにある菜園場(しゃえんば)と、家から離れた畑にわかれる。前者では四季折々の野菜をつくり、それは毎日の食卓にのった。また少し離れた畑では、麦、大豆、粟、きび、とうもろこしなどの雑穀類のほか芋類、朝を栽培した。大正になると養蚕…

モチアワの10段階

モチアワの種をまくにあたって、この1年を振り返りつつ、今年はどうのぞむかを考える材料としたい。 ●火入れの直後に種をまき(5月22日) ●芽が出て(6月9日) ●穂がのびて(6月18日) ●さらに穂がのびて(6月28日) ●稔る(8月27日) ●収獲…

「まかぶ」とは!?

三沢のUさん宅へ、土用豆があればと思い伺う。1年半ぶりくらいかも。 種まきぶんしかないということだったので、用向きははたせなんだが、お元気そうなのがなにより。それよりなにより。 後の山に咲く黄色い茎立菜。あれは、地カブ? というのでいろいろ聞…

ゴロビナはハリギリか?

諸戸北郎「大日本有用樹木効用編」明38.10刊が、国会図書館デジタルライブラリーで公開されている。 阿井の山野に自生している草木で宿題になっている「ゴロビナ」の候補、あぶらぎりの項をみてみた。 別称として「ヤマギリ」があがっている。そしてヤマギリ…

モチアワの精白作業〜詳細写真

3月1日(水)、曇時々晴。13時〜16時までみっちり脱穀精白作業に取り組みました。 脱穀は洗濯板で擦って落とす方法を採用しています。素手だと量をこなすにはきつい。軍手の着用も考えましたが、繊維がまじるとあとが面倒だなと思い躊躇してしまいます。 選…

アワの精白はミキサーで

2月28日(火)。雲ひとつない快晴となり、気温は9℃まであがったようだ。風もおだやかで風速1〜2mほど。日の出は6時40分、日の入は18時といったところで、ずいぶんと日が長くなったものだ。 そんな日和、久しぶりに脱穀作業に三所へ。2時間弱ではあったが…

2016年のガマズミ

がまずみについて、記事に書いた記憶がありますが、見当たりませんので、これまでの概略を記します。 1. 2015年秋、さくらおろち湖周辺でガマズミを発見。荒廃竹林山林の再利用活動のなかで、低木で材の用途も広く、子どものおやつとしても、大人の滋養食と…

家庭用精米機を使ったモチアワの脱っぷ

1月8日の作業の結果だけを備忘に書きとめ。 山本電気のRC-23(製造中止だが市場在庫がまだ豊富)を使った雑穀の脱っぷを実行に移しました。五穀用スクリーンの在庫がメーカーにあり2つ注文したことは以前に記したかもしれません。網目が小さいため、アワは…

阿井村の大正7年

島根県立図書館に、駒原邦一郎,S35.1「私の村のはなし(下)」を確認してきた。〈阿井の山野に自生している草木で〉で載せた草木の名が間違っていないかと。なにせ乱暴な写筆だったのだ。いちばん気になっていた「ゴロビナ」はコロビナでなく、ゴロビナで間…

林原の焼畑でつくられていたカブとは

昨年、年取りカブの存在を語ってくれたのは三沢の山田さんであった。『尾原の民俗』の中に「年取りカブ」「正月カブ」という名称はみられないが、「地カブ」という名で幾度か出てくる。地カブがあるからには地でない(地元のものでない)カブもあるはずだが…

阿井のホウコはいまどこに

阿井の山野に自生している草木での中でとりあげた「ホウコ」のこと。今日、阿井の方からお電話があり、いくつか教えてもらって、どうやらホグチである可能性がぐぐっと高まりました。ご自身は餅のことしかご存じなかったのですが、知っていそうな方に聞いて…