樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

小屋を建てる

「なぜ、男は小屋を建てたがるのか」この見出しにしようとしてやめた。「たがる」という言葉に含まれる揶揄はことの次第を見えにくくするだろうと、そう思い直したから。 「小屋を建てる」 つぶやくような、控えめな発言であっても、この言葉を聞いた男たち…

心について三題

まず、昨年7月くらいの投稿から。 心がわれわれに属するというよりも、われわれが心に属しているのである 昨晩の「本とスパイス」では、絵本『かさどろぼう』をとりあげましたが、トーク後のカフェ・タイムに「傘・能・心」ってなんですか?と、、、これ、端…

畑や庭や山のこと

雨の降らない週末は本当に久しぶりだと思う。山へ行く予定でいたのだけれど、所用がたてこんだこともあり、明日にする。しばらく何も手をつけていないので、昨日今日のことなど、断片的に。 ずっと干したままだった稗を雀らがみつけた 種取り用にとってあっ…

2012年、山の暮らしを取材していた

2011年(平成23)の秋から2012年(平成24)の春にかけて、写真や記録をサルベージしていたところ。 映画「森聞き」上映について、いくつかをひろう。現在作成中の「森と畑と牛と」1号にも「記録」としてアップしていく予定。 「森聞き」上映会 ●Kさんの山に…

出雲といえば曇り空って本当か?

「出雲といえば、晴れ少ない、曇り多い、暗い」 と言われるが、東京/出雲を半々で暮らしてきた身にはピンとこない。長年のもやもやを、もののついでにざっとではあるが調べてみた。気象庁のデータを80年代からあたっての比較。画像は日照率の比較。冬は確か…

予祝とは願いではなく感謝である

すべてはうまくいっている。なんの問題もない。満ち足りた日々。 このような気持ちになることが、予祝というものの本質なのだと、ここ数日で思うようになった。めでたいことなのだ。だから、新年は「おめでとう」なのだ。 新しさ、門出、そうしたものへのめ…

冬の晴れ間に思うこと

出雲地方の冬。それは晴天日数の極度の減少をもって特徴づけられる。…と言ってみたものの、気象庁など実際のデータにあたったわけではなく、あくまで印象と経験によるものだ。他の地方もおおよそそうであろうが、少なくとも太平洋側とは明らかに違うことに異…

死んだらどうなるの?#3

西宮一民『上代祭祀と言語』1990,桜楓社を手がかりに。わたしたちの霊魂に対する考えは、大きな隔たりをお互いに持たない。だからこその「死んだらどうなるの?」なのだ。わたしたちとは、日本人といってもいいのだろうが、なんだろうそう言ってしまっては駄…

一月八日になってしまった

菜を摘んで粥をつくろうと、一昨日の夜には、ざっとした算段すらしていたのに、すっかり忘れていた。いま、一月七日という日はおわろうとし、夜をまたいで八日になってしまうのだが、天気を予報する便りは、春の嵐が吹くのだと全国的に、そう伝えてきていて…

死んだらどうなるの?#2

死んだらあの世にいく。 平均的な大人の回答はこうなると、私には思える。表し方、語句の選択など、Variantはあろうが。 さて、噛み砕けば私たちが意識せずとも前提にしているあれこれ。いや、なるべく意識しないように、目にふれないようにしてきた前提があ…

一月五日、死んだらどうなるの?#1

(書きかけメモとして) 死んだらどうなるの? 子どもの質問っぽい。大人が言ってもいい。言わないだけで言いたくなるときもあるだろう。が、大人はめったに言わない。 問いは素朴にみえて暴力的。それでいて根源的な問いでもある。そうした問いには模範解答…

一月四日、そういえば稗を食べていない

日がな一日、読んだり、整理したり、用意したり。 棚のファイルを整理するまでもなく、立直す程度に整えた際、大庭良美『家郷七十年』の複写ファイルが出てきた。ほんの十数ページぶんほどではある。用向きとしては食生活の項を中心に記録を集めていたときの…

令和元年、年取りのタカキビ餅とタカキビと

昨年同様の塩梅でタカキビ餅をついた。昨年のほうが美味しかったという印象を持っている。硬い粒が残っているのと風味がいまひとつ。主に3つの要因があると思う。 1. 昨年よりもしっかり熟したものを使っていること2. その割には水につける期間が短かったこ…

ルソーと音楽と社会

主よその憐れみもて我が罪を拭い去り給え BWV1083 https://youtu.be/DXeBdDc8jsgペルゴレージの楽曲「スターバト・マーテルStabat mater」から編曲されたJ.S.バッハのモテット「主よその憐れみもて我が罪を拭い去り給え」BWV1083。深夜まで聴きながら、J.J.…

本の記録〜2019年11月20日

県立図書館 †. 1 高取正男,昭和47『民俗のこころ』(朝日新聞社)†. 2 阿部謹也,1995『「世間」とは何か』(講談社現代新書)†. 3 香月洋一郎,2002『記憶すること・記録すること―聞き書き論ノート』(吉川弘文館) 出雲市立中央図書館 †. 4 レーン・ウィラー…

暦日雑想

(下書き中にて支離滅裂な点、多々あり、御免) 数日前のこと。年末の餅つきを一緒にする会の、打ち合わせの席でした。 冒頭、世話役の方から、今年は12月28日でいかがでしょうか、土曜日ではあるのですが、との発言。みなさん異論なく、しばし沈黙の後、そ…

正月とカブ

正月にカブを供する儀礼といえば、七草粥があるのだが、その起源をたどろうとすると、途端に錯綜した渦に翻弄されることになる。 まあ、いろいろとね、諸説あるんだけどね、と言いたく(まとめたく)なるのをこらえつつ、あらためてとらえてみようと思ったと…

中秋節に火を入れて

今日は仲秋節。月に願いを。地には平和を。…というわけで焼畑の近況をば。 ・今日のお昼すぎに、昨年春に残った竹積み箇所を焼きました。カブを蒔く予定。 ・春焼き地のホンリー、アワ、ツル小豆等混植区はそれぞれ色づいてきました。収穫準備。鳥たちも虎視…

9月8日の草刈り雑感

この日の最高気温は35℃ほど。日差しの強さは8月のそれと比べればやわらかで、また時折雲がさえぎることもあり、「やってできなくはないか」と、草刈りをはじめたのでした。 はじめて数十分で、汗の流れが尋常でないことに気づきます。なぜだろう。体調の問題…

農書『家業考』〜年中勝手心得の事 からの示唆

木次図書館の郷土資料の棚に農文協の農書全集第9巻がある。「神門出雲楯縫郡反新田出情仕様書」や「農作自得集 」をおさめているからだろうか。あるいは広島県高田郡吉田町に豪農が記した「家業考」を、雲南市吉田町のものと勘違いしたということも考えられ…

2018年8月31日、焼畑に猪

イノシシにモロコシを食われてしもうた。 タカキビも数本倒されていたが、まったくといっていいほど食べてはいない。が、モロコシは口にあうのか、ガシガシとやっている。最初、牛がここまであがって、食べたのかと思ったが、いやイノシシだと。 まず、牛で…

出雲の山墾り〜2019年の8月24日

8月の振り返りをと思い、記録をみたら、4日しか動いておらず、意外な感に打たれる。 やったことはほぼ草刈り、ひたすら草刈り。1日3時間までが活動限界なのは、ともかく暑かったことによる。どんなに水分を補給しても足りない。体重にして2kgほど毎回消耗す…

出雲の山墾り_2019_sec.21

7月13日、21回目の活動セクションです。 去年より火入れは1週間ばかり早かったはずですが、気候のめぐりあわせが悪く(高温下で梅雨入り遅く降雨少なく、梅雨入りしてからは気温が低い)、播種したものたちの生育は、遅い=よくないと感じます。 こちらは昨…

安曇野ちひろ美術家でみた、シビル・ウェッタシンハ『かさどろぼう』

7月5日の「本とスパイス」、テーマは「雨が滴り落ちるその場所について」。 雨が滴り落ちるその場所について〜シビル・ウェッタシンハ『かさどろぼう』はじめ.(本の話#0019) 先月、安曇野ちひろ美術館で出会ったいくつかの〈もの〉〈光景〉をきっかけ、あ…

その昔、どんなヤキモチ、オヤキが食べられていたのか

どこかで読んだのだが思い出せない。「へえ〜。仁多にもあったのか。そりゃあっただろうけれど」という記憶のみ。そう、仁多に、かつてオヤキ=ヤキモチがあっても不思議でもなんでもない。全国どこでもそうだろう。しかし仁多では早くから米食の比率が高ま…

陸稲苗の定植

6月29日の土曜日、陸稲苗・ネリカの定植をした。育苗箱2つぶんである。6月5日前後に播種した同じネリカの種の様子はといえば、かなり成育が悪い。裏の畑の隅の日陰に植えた種と比べても、高さにして半分以下である。荒れ地では根が張るまではこんなものなの…

シコクビエを育てるにあたって

今年の焼畑でシコクビエを撒いてみるのだと。そう思い立ったのは1年ほど前だったと思う。理由は大小いくつかあるのだが、なぜこれほどまでに顧みられていないのか、それが気になっていたことが存外に大きいのかもしれない。 この項、のちほど加筆するとして…

山で仕事をする人

昨日は奥出雲町チェーンソー研修。ベテランコースは3人組で深い森の中へ。珍しげな鳥の鳴き声が響く木もれ陽のなか、「きこり」さんたちの話がとっても面白かった。「ひとりでやるのがいちばん安全だね、じぶんのペースでできるから」「ふたりのほうが効率…

森の中のドクダミ

庭や畑では、のび放題やりたい放題で、少々の抜き取りをものともせず拡大するもの、ドクダミ。その臭いは鼻につき、悪臭の類に入るのだろうが、そんなにひどいものでもないと私は感じる。薬草として重宝される(た)身近な植物であって、葉を乾燥させて炒り…

スペルト小麦の刈り取り

スペルト小麦については、遅い梅雨入りとなっていることが幸いして、昨日、6月21日の午後、裏の畑ぶんを刈り取った。もう4日〜5日あればなあという色づきだった。ひと束半くらいはまだ青さが濃く残るものだったので残している。一畝ぶんだけなので微々たる…