樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

奥出雲町鞍掛の「大山さん」

 奥出雲町鞍掛の「大山さん」へあがってきました。里から舗装された林道をあがること5分くらいでしょうか。林道の脇にぽつんと立っておられました。  もう少し見晴らしがよく、人が集まれる場所かと想像していました。辻にたつ地蔵・観音のようで、これまで見聞きしてきた大山さんとは趣が異なります。そして若いアカマツと細い雑木が目立ちます。草山だったのでしょうか。  八頭塚横穴墓郡のすぐそばです。  場所はここ。 https://goo.gl/maps/QtHnKbcCW222  銘は判読できず。ん〜天保12年4月2日?でしょうか。およそ270年前です。  糸原Kさんに聞いたお話では、いまでは、誰もここにあがることはなく、糸原さんも小さい頃からここへ祭礼であがった記憶はないとのこと。ただ、集落にある縄久利さんを祀っているところ(要確認)で4月3日に行う祭礼があるのだとか。三沢神社の宮司さんを呼んでくるのだとおっしゃっておられました。桃の節供ですね。  特徴を少し整理してみましょう。 ・祭礼が4月3日。桃の節供。他の大山さんが、伯耆の大山智明権現の祭日である23日を多くとっているのに対して、農事暦との関わりの深い日を選んで続けられていることが大変興味深い。 ・縄久利さんとの混交がみられる。大山さんと呼んでおられましたが、祭礼は縄久利さんのところでやるというところ。 ・大山さんが地蔵の造形であること。これまで見てきたものは碑に文字を記すのみのものが大半。 ・場所がみはらしがよいところ、共有林であるところという点とは少々異なるような気配(地形や植生)。  そして、大きなポイントがひとつ。ここが峠の境界であった可能性。35°11'28.9"N 132°58'44.7"Eです。この近世の古地図により、鞍掛村から堅田郷へいたる峠にあったのがこの大山さん=地蔵だと推定しました。    昔のフォルダにあったショットで出所がわからず、島根大のライブラリか? この近辺では佐白の峠(多根自然博物館前付近)や上鴨倉の峠と並ぶ主要な峠のポイントでしょう。なんと読むのだろう。