樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

竹の焼畑はやりやすいか?

 5月の火入れに向けて年間の計画を見直している。整理されないままの資料のストックを並べ直すなかで、昨年の「焼畑2016-p0401」ファイルが目に入った。要改善項目として次にようにまとめている。

◉3.昨年うまくいかなかったことの改善

《伐開・火入れ・種蒔・収穫・加工(調理)技術の向上をはかること》

●うまく燃えなかったが、要因は複数指摘されている

 乾燥期間が足りない→6ヶ月は必要

 孟宗竹はそもそも燃えにくい→他の材を混ぜる。たとえば杉の枝など。そもそも丸太など大きな材は焼き畑に不適のようだ。

 8月下旬からの長雨の影響→節に水がたまったのも大。裂いておく必要があるのでは。

●伐採後の整備、防火帯づくりに時間がかかった

  →数本切ったら、玉切りしてまとめたほうがトータルでは効率的。

●蕪の種まきが密すぎて、間引きに苦労した。

●収穫する時間がなかった→想像以上によくできたともいえる。「売る」ことも考えておくべき。

 間引きに苦労したはずなのに、種蒔はさらに密になっていることなど、まったく改善されないことも多々あり、、、だ。

「燃えにくい」という点は「積む」ことでの解消ははかれたのが2016年だった。そして今年2017年は積みすぎないことで、効率をあげていきたい。

 そのためには、もう一度、「竹はやりやすい」という民俗学の報告を見直すところからだろう。

 白石昭臣『竹の民俗』はじめ、竹の焼畑が燃えやすく、作物の出来もよいことはしばしば記録に残されてきた。白石は志津見のそれをスズタケやハチクだと記述している。スズタケは笹に近いがハチクはその太さは明らかに竹だ。しかし細身の孟宗竹があるように、笹に近いハチクもある、たしかに。そう考えてしまえば、「孟宗はそもそも燃えにくい」ということで、「積む」しかないともいえる。あるいは鳥取大の佐野教授に示唆されたように最低6ヶ月は乾燥させてやることにチャレンジしてみることも必要だろう。いや、すでに2016年の9月の火入れは1年以上経過した竹を用いている。けっこう積んだものだが、それほど勢いがあったわけでもない。どうだろう。

 じつは椎葉村で配布しているクリアーフィアルの火入れのシーンに映っているのが「竹」なのだ。たしかに「竹」焼畑は椎葉や西米良で行われてきた。現地もみた。意外なほどに竹は多い。

 椎葉康喜・内海泰*「宮崎県椎葉村大河内地区における焼畑農業」(九大演報( B u l l . K y u s h u U n i v . F o r . ), 9 1 : 3 4 -3 9 , 2 0 1 0)には、こういう記述がある。

《ヒエを作るための春ヤボには大きな木が成長している土地が適地とされた。また,ハチクなどの竹藪やスズタケが優先している林もヒエを作るのに適しており,竹の焼畑の1 年目は地下茎が残っていて扱いにくかったが,2年目は根が腐り,良い肥料となった。》

 《2年目は根が腐り》も気になったところだ。感覚ではというか、土に鍬を入れた感覚ではそうだ。今年の春の地面。あきらかに掘りやすくなっている。

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 本題に戻り、竹のやりやすさについて。

 2015年のセミナー資料をひもときつつ、もうちょい資料をあたってみることして次回へ。