樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

ずんべらはチガヤのことなのか〜食べる草

 春がきた。「春は喰える草の季節」とは清少納言枕草子ではなく、川上卓也の『貧乏神髄』の名句であるが、心して迎えたい。平成も終わろうかという時代、子どもたちに草を食べる楽しみを伝えていきたいものだ。

 草を食べるといえば、野山の果実であれ草であれ「あれをたべた、こんなものをたべた」と語る女性は一様に美食家である。母親に教えられた、兄に教えられた、おじいさんに教わった…、その伝承のかたちはさまざまなれど。さもありなん。酸いも甘いも辛いも苦いも、化学調味のそれではなく、野生のそれを幼少の頃に摂取した体験がタネとなり、長じてなにが美味しいものなのかを分別する力能をしっかり保持する人となるのである。

 さて、一昨日に聞いた幼少の頃に食べた草の話。
 広島出身で松江在住のその女性は、思いつくままに3つをあげられた。備忘にのせておく。

 

◉ずんべら

「白い穂が出て甘い」

 チガヤであろう。しかるに、ずんべらと呼ぶというのははじめて聞いた。八坂書房『日本植物方言集成』をのちほど要確認であるが、手元でひける小学館の『日本方言大辞典』にある「すいば」「ずんばら」のバリエーションか。以下に全方言をあげておく。

《あまかや/あまた/あまちか/あまちこ/あまちゃ/あまちゅー/あまね/あまみ/あまめ/おーの/おなごがや/おばな/かにすかし/かや/かやご/かやぼ/こーじ/ささね/ささみ/ささみぐさ/ささめ/しば/しばはな/しばめ/じょーめぐさ/しらがや/しろつばな/すいすい/すいば/ずいば/ずいぼー/ずば/ずばな/ずぶな/ずぼ/すぼー/ずぼー/ずぼーな/ずぼーなー/ずぼな/ずむな/ずわ/すんば/ずんば/ずんばい/ずんばら/ずんばらこ/ずんぼ/ずんぼー/ずんぼな/ぜにこ/ちぐさ/ちぶく/つあのみ/つぃばな/ついばな/つば/つばくろ/つばころ/つばなこ/つばね/つばねこ/つばのこ/つばめ/つばんこ/つばんこー/つぶな/つぼ/つぼー/つぼーばな/つぼな/つぼみ/つんつんば/つんつんばな/つんば/つんばな/つんばね/つんばら/つんぼ/つんぼー/つんぼば/とまがや/とまぐさ/とますげ/とわば/なつし/のぎ のとと/のぶし/のぼし/のぼせ/のまぎ/ぴーぴーくさ/ひがや/ひるぬき/へびしば/まかや/まがや/まくさ/まはや/まひや/みのかや/みのがや/みのくさ/みのげ/めがや/めんがや/やまわら/わらいぐさ》

◉たきんぽ
「竹に似ている」
これはイタドリだろうと思う。

◉名称不明 赤い茎 すっぱい
筋をとって食べるという。たきんぽと同じ?