樟の森の研究室

斐伊川が久野川や三刀屋川と合流する地点、木次線がことことと走る線路のすぐそばに住まいし、ここで生きる術と学びを記していきます。

〜#1_Book 7 days

◉大河原宏二著『家族のように暮らしたい』2002年太田出版

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絶版にはなっていますが、古書はそこそこ流通しているようです。
著者がなくなったのは、2010年12月31日。
読まれ続け、残っていてほしいと願う本。
疲れすぎた夜も、なんだかイライラするときも、やるせないときも、やる気がでないときだって、この本を開くと、不思議に落ち着いた時間が訪れます。
あとがきには、こう記されてます。
「思想もない、理念もない。では、こだわりもなかったかと問われれば、ひとつだけあったと、答えることができます。それは無名であり続けることのこだわりでした。わたし達の運営してきたケアハウスは、無名の老人がその余生を送るところです。ここは、どのような意味においても特別な場所ではなく、また、特別な場所であってはならない。……(略)……老人がどこに、どのように暮らそうとも、そもそも生活というものが複雑で猥雑なものなのですから、いろんなことがあるでしょう。それを誰かが、いちいち取り上げて記述し、公表するなどということはありません」
こだわりという言葉が好きではない私ですが、ここで使われた「こだわり」の、その反抗性に、ひどく揺さぶられるのです。